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オーガニック流入の背後に潜む、広告の見えざる足跡

オーガニック流入の背後に潜む、広告の見えざる足跡

記事をご覧いただきありがとうございます。
Cyvate株式会社 代表取締役 松本慎太郎です。
今回は「広告の見えざる足跡」という観点で記事を執筆したいと思います。
皆様のSEO対策、広告運用の一助になれば嬉しいです。

早速ですが・・・

あなたのSEO実力、本当に「真の実力」ですか?

「ブランドワード除外後もオーガニックCVが多い。これがうちの真の実力だ」

レポート会議でこんな言葉を聞いたことはないでしょうか。

一見、論理的で説得力のある分析に思えます。
自社ブランド名で検索してくるユーザーは既に認知済み。真のSEO力を測るなら、一般ワードでの流入こそが指標になる...そう考えるのは、ごく自然なことです。

しかし、この「常識」には、決定的な盲点があります。

ユーザー行動は、あなたが思うより複雑だ

想像してみてください。
深夜、スマートフォンを眺めるユーザーがいます。Instagram広告で目に留まった「時短調理家電」。興味は湧いたものの、その場での購入には至りません。

翌朝、通勤電車の中で「時短 料理 家電 おすすめ」と検索。あなたのサイトに辿り着き、比較検討の末、購入を決断しました。

GA4のレポートには、こう記録されます。「オーガニック検索からのコンバージョン」と。

この時、マーケターは何を見落としているのか。それは、広告が「種を蒔いた」という事実です。ユーザーの検索行動そのものが、広告接触によって誘発されている。言い換えれば、オーガニック流入の背後には、広告の見えざる影響力が織り込まれているのです。

アトリビューションの限界と、クッキーレス時代の落とし穴

従来のアトリビューション分析は、主にクッキーベースのトラッキングに依存してきました。しかし、プライバシー規制の強化により、この手法は限界を迎えています。さらに深刻なのは、デバイスをまたいだ行動や、広告を「見ただけ」の非クリック接触を捕捉できないという構造的問題です。

広告をクリックせず、記憶に留めて後から検索する。このような「認知→想起→検索」という行動パターンは、実は極めて一般的です。特にBtoBやマーケティング高関与商材では、購買プロセスが長期化するため、この傾向は顕著になります。

つまり、「ブランドワード除外後のオーガニックCV」は純粋なSEO成果ではなく、広告投資の遅延効果である可能性が高いのです。

「一般ワード」という幻想...広告が創出する検索需要

ここで重要な概念が「広告による検索需要」です。

マーケティングファネルの上位で広告接触したユーザーは、ブランド名ではなく一般的な比較ワードや情報収集ワードで再検索する傾向があります。「〇〇 比較」「〇〇 おすすめ」「〇〇 選び方」といったキーワードです。これらは一見、純粋な情報ニーズに見えますが、実際には広告が引き起こした「顕在化された潜在需要」に他なりません。

従来の分析では、これを「SEOの成果」として計上してしまう。結果、広告予算を削減すると、一般ワードでのオーガニック流入も減少する...そんな皮肉な事態が発生するのです。

真の実力を可視化する、次世代マーケティング基盤

では、どうすればこの「見えざる影響」を正確に捉えられるのか。

答えは、クッキーレス時代に対応した統合的なアトリビューション分析にあります。重要なのは、単一タッチポイントではなく、ユーザーの「興味関心の変遷」と「接触経路全体」を俯瞰することです。

当社が提供するマーケティングプラットフォームは、まさにこの課題に応えるために設計されています。

マインドマップで可視化する、顧客の「思考の旅路」

コンバージョンに至るまでの流入元、閲覧ページ、遷移経路をマインドマップ形式で可視化。どのチャネルがどのページへ誘導し、最終的なCVにどう貢献したかを直感的に把握できます。ラストクリック重視モデルながらも、過去の接触履歴を加味した独自のCV算出ロジックにより、間接効果を見落としません。

NLP分析が解き明かす、ユーザーの「本音」

自然言語処理技術を活用し、検索クエリやページコンテンツからユーザーの興味関心を自動抽出。「価格重視」「品質重視」「速さ重視」など、どの興味関心セグメントがCVに繋がりやすいかを定量化します。これにより、広告メッセージとSEOコンテンツの最適な連携が可能になります。

統合BIツールで、サイロ化したデータを「一つの物語」に

Google Analytics、Search Console、Google広告、Meta広告、Instagramのデータを一元管理。相関係数や回帰予測といった統計手法を用いた独自指標により、施策間の因果関係を科学的に検証できます。

さらに、AIが機械学習を通じてこれらのデータを継続分析し、あなたのビジネス固有のマーケティング提案を自動出力。「広告予算を20%増やすとオーガニック流入が15%増加する見込み」といった、アクション可能なインサイトを提供します。

「真の実力」とは、全体最適の先にある

マーケティングの本質は、個別施策の優劣ではなく、施策間のシナジーを最大化することです。SEOと広告を対立構造で捉えるのではなく、互いに補完し合うエコシステムとして設計する。その実現には、見えない影響を可視化し、全体像を俯瞰できるツールが不可欠です。

「ブランドワード除外後もオーガニックCVが多い」...その数字の裏側を、あなたは本当に理解していますか?真の実力を問うなら、まずは真実を直視することから始めましょう。

ベイトくん

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